Q. フジモトさんはどうして擬人化した動物の絵をよくお描きになるんですか?
A. 子供のころ読んだ絵本の中では、動物たちが喋ったり人間と同じような生活をする物語が、ごく自然なことでした。大人になって現実はそうではないと気づきましたが、まだその現実に対応しきれていません。
Q. どの動物が一番お好きなんですか?
A. 最近ではフクロアリクイが気になっています。
Q. 私はイラストレーター志望です。プロになるにはどうすればいいのでしょう。私にもなれるでしょうか?
A. 「誰だってがんばればプロになれるはず。だって、ろくろく絵のかけなかった(今でも怪しい)おれがなっているんだから」
以前はそういう風に答えていました。しかし世の中そう単純でもない、ということに段々気づいてきました。
あなたの才能を疑う気はありませんが、高い技術をもっていたとしても、フリーランスとして独立できるかどうかは別問題です。運不運もあります。南極でサーフボード屋が繁盛しないように、あなたもイラストレーターになれないかもしれません。
Q. アシスタントは募集していないんですか?
A. 「ああ、だれかこの冷やし麦茶作りを手伝いに来てくれないだろうか。郵便局にお使いに行ってくれないだろうか。バイト代も奮発するのに」などと思う事はしばしばですが、誰かの生活を安定的に支えられるほどの仕事量はありません。
Q. 絵を1枚描くのにどのぐらい時間がかかるんですか?
A. 20歳の時に描いた絵は20年かかって描いた絵だし、80歳で描いた絵は80年かかって描いた絵です。
Q. 漫画に出てくるエピソードは、日常で実際に体験した事を描いているのですか?
A. そうだと楽なのですが、現実の世界は回収されない伏線の連続で、なかなか「お話」になりません。
Q. メールを送ると直接読んでもらえるのですか? 間にだれか入っているんですか?
A. 間に誰かを通すほど高度なビジネス体系は構築していません。
Q. 個展はやらないんですか?
A. 「いずれやりたいと思っています」と、最初に答えてから十年ぐらい経ちます。いずれやりたいと思っています。
Q. 影響を受けたアーティスト、作家は誰ですか?
A. これは答えにくい質問です。多すぎるからです。「生まれてから今まで、あなたは何と何を食べましたか?」と訊かれるようなものです。ひとことでは答えられません。
ですので例えば「最近では?」などというくくりをつけていただけると、答えやすくなります。
最近はお餅をよく食べます。
Q. フジモトさんの本を、ネットではなく書店で買いたいのですが、なかなか見つけられません。
A. 私もなかなか見つけられないことがあります。行き倒れになる前に書店員さんに声をかけてください。
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